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傍島 眞; 片西 昌司
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, p.249 - 254, 1991/00
炉出力異常による燃料破損は、燃料の設計、水対燃料面積比や水流速、温度、出力変化など種々の因子の影響を受ける。各影響度を定量化するため、破損しきい値を求める炉内実験を過渡出力炉NSRRを用いて行なった。カプセル照射実験には典型的なPWR型燃料棒を使用した。燃料破損のエンタルピしきい値は、緩過出力では急過出力に比べ、また、より小さな水燃料比の条件で低くなる傾向にあることが明らかになった。さらに低い水流速も流路管中の燃料棒の破損しきい値を低下させる。一例では流れなしの燃料棒が高温化により破損したのに対し、同条件で流速のみ1.8m/s与えた燃料棒は破損しないのみか温度上昇も示さなかった。これらの現象の解析をRELAP5コードで行い、軸方向、半径方向のエンタルピ分布を明らかにした。
落合 政昭; 石田 紀久; 板垣 正文; 坂本 幸夫; 京谷 正彦; 原子力船「むつ」出力上昇試験プロジェクト
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, p.515 - 526, 1991/00
原子力船「むつ」出力上昇試験結果の概要と実験航海における実験計画について述べる。出力上昇試験は1990年3月29日に関根浜港岸壁に船体係留した状態で開始し、以後、原子炉出力に応じて分けられた六段階の試験を実施した。第1段階では主に「初臨界試験」等の炉物理試験を行い、第2段階では「1次系ヒートバランス測定」や「負荷変動試験」等の主にプラント静特性及び動特性に係る試験を行なった。前者の炉出力は零%、後者の炉出力は約20%までの範囲であり、推進用タービン停止の状態で行なった。第3段階から第6段階は北太平洋上で、それぞれ炉出力約50%、70%、90%及び100%で、炉物理、プラント静特性及び動特性に関する試験を実施した。水・ガス分析、放射化学試験及び放射線レベル測定は出力上昇試験の全期間を通して行なった。試験結果から、本原子炉プラントの性能は「原子炉等規制法」等で要求される要件を満たしていることが確認され、また設計との比較で良い一致が得られた。実験航海は静穏海域、荒海及び高温海域で実操船模擬の実験を行う。
更田 豊志; 藤城 俊夫
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, p.271 - 277, 1991/00
反応度事故条件下では被覆管と水蒸気の反応によって、急激に水素が発生することが考えられる。発生した水素気泡は冷却材流動上の問題などを引き起こす可能性がある一方、事故発生直後のランアウト出力抑制に強い効果を持つことが予測される。そこで反応度事故時の水素発生挙動を調べるために、PWR型燃料棒を用いてNSRRでパルス的な中性子照射を行い、ボイド計によって水素発生量の過渡変化を測定するとともに、照射後の被覆管の酸化状態を調べることによって、総水素発生量を評価した。短時間での大量の水素発生が測定され、冷却材流動やランアウト出力抑制に大きな影響があることが明らかとなった。また総発生水素量は被覆管の欠陥状態に強く依存することがわかった。更に、LOCA条件に対して開発されたPRECIP-IIコードを用いて解析を行い、比較的緩やかな条件には同コードが適用可能であることを示した。
熊丸 博滋; 久木田 豊
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, p.203 - 208, 1991/00
ROSA-IV大型非定常試験装置(LSTF)は加圧水型原子炉(PWR)の体積比1/48モデルである。LSTFにおいて、高圧注入系(HPI)の故障を仮定したコールドレグ小破断冷却材喪失事故(LOCA)実験を破断面積0.5%~10%の範囲で実施するとともに、小破断LOCA実験に続く意図的一次系減圧実験を実施した。また、主要事象の発生時刻を予測する簡単なモデルも本論文では提案している。実験結果及び計算結果より、加圧器逃し弁(PORV)を用いた1次系の意図的減圧操作は、約0.5%以下の破断面積に対しては有効であり、5%以上の破断面積に対しは不要であるが、それらの中間では、十分な炉心冷却を維持するためには不十分であることが分かった。
鈴木 光弘
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, p.311 - 317, 1991/00
本発表は、既に特許申請を行ったPWR事故時の新しい冷却材保有量検出方法の有効性を明らかにしたものである。この検証は、ウェスチングハウス社型PWRを高さ方向実寸、容積比1/48で模擬するROSA-IV計画の大型非定常試験装置(LSTF)で実施された種々の小破断冷却材喪失事故(SBLOCA)実験に適用して実施した。対象とした実験は、TMI模擬実験を含む5つの破断位置効果0.5%破断実験、及び破断面積の大きい5%破断実験など14件である。本発表では、(1)1次循環ループ(PL)水位計挙動が原子炉容器水位低下の予知に役立つ、(2)PL水位と1次系保有水量との間に簡単な関係が成り立ち、保有水量検出に役立つ、(3)米国で開発し実施されている原子炉容器内の水位計は炉心露出の前段階で長い不感帯を持つ、等について述べる。
荒井 長利; H.Cords*; H.Nickel*
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, p.553 - 558, 1991/00
高温ガス炉(HTGR)の黒鉛構造物は高速中性子の照射により損傷し、工学的な物性値が変化する。その変化挙動は照射温度及び照射量に著しく依存する。多数の多結晶黒鉛の等温での照射挙動データを説明するために、黒鉛損傷モデル(Graphite Damage Model,GDM)が以前に考案された。本研究では、このGDMを非等温照射条件にも応用するための改良を行った。ここでは、実験データに基づき、モデル関数に含まれる28ヶのモデルパラメータを非線形最小2乗近計算により決定し、先ず、非等温照射挙動用のモデルを確立した。更に、このGDMに基づいて、非等温照射挙動を予測するための一般的な回帰公式を開発した。その妥当性を実験値との比較により確証した。
丸山 創; 村上 知行*; 藤井 貞夫*; 藤本 望; 田中 利幸; 数土 幸夫; 斎藤 伸三
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 1, p.425 - 430, 1991/00
HTTRの炉心熱流力設計においては、被覆燃料粒子の健全性の観点から、燃料最高温度を評価する。この時、設計上の不確定性を評価するためにホットスポットファクター(工学的安全係数)を用いる。ホットスポットファクターには、系統的要因によるシステマティック因子と統計的要因によるランダム因子がある。本報では、HTTRの特徴を考慮して定めた因子の項目、値とその算出方法について説明するとともに、燃料最高温度の評価結果についても報告する。
村田 勲; 山下 清信; 丸山 創; 新藤 隆一; 藤本 望; 数土 幸夫; 中田 哲夫*
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 1, p.413 - 418, 1991/00
HTTRは原子炉出口温度が950Cと高く、燃料の健全性を確保するためにウランの濃縮度を径方向及び軸方向に適切に分配し、出力分布を調整することにより燃料温度が炉心内で均一になるようにしている。燃料最高温度は、これに加工、燃料ピン等の非均質性を考慮して評価している。径方向については、ブロック内の燃料ピンとBPロッドの配置による径方向の非均質性に起因する出口ピーキングを、そして、軸方向については、燃料ブロックのブロック端黒鉛に起因する軸方向出力スパイクを評価し、燃料最高温度の計算に使用している。本報は上記の非均質効果評価手法とその結果並びに検証結果について述べた。
山下 清信; 丸山 創; 村田 勲; 新藤 隆一; 藤本 望; 数土 幸夫; 中田 哲夫*; 徳原 一実*
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 1, p.419 - 424, 1991/00
日本原子力研究所が建設を進めている高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉出口冷却材温度の達成目標値は950Cと極めて高く、燃料の健全性を保持する必要性から燃料最高温度を極力低くする必要がある。このため、ウラン濃縮度配分の調整及び制御棒炉内挿入度の抑制による炉内出力分布の最適化により燃料最高温度を極力低くする方法を開発した。本報は、この燃料最高温度低減のための出力分布の最適化方法及びHTTRの炉心設計に適用した結果について述べるものである。
神永 雅紀; 数土 幸夫
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 1, p.73 - 79, 1991/00
研究炉では、高中性子束を達成するために高出力密度の可能な板状燃料が一般に使用されている。板状燃料を用いた燃料要素の冷却材流路は、狭い垂直矩形流路であり、このため狭い垂直矩形流路における限界熱流束(CHF)の把握が重要となる。しかし、従来、研究炉の設計等で使用してきた垂直矩形流路における限界熱流束相関式は高流量域において上昇流と下向流の相異が必ずしも明確にされていなかった。本研究では、流路出口サブクール度の効果に着目し、既存のCHF実験結果を用いて、サブクール度の影響を調べた。その結果、上昇流と下向流のCHFは、流路出口サブクール度と質量流量の関数として系統的に整理できることが明らかとなった。さらに、本研究結果に基づきこれまでに研究炉の設計に用いてきたCHF相関式群に改良を加え、新たにCHF相関式群を提案した。
黒沢 昭*; 大辻 友雄*; 木津 真一*; 岩堀 宏治*; 小林 克雄*; 秋野 詔夫; 武田 哲明; 伊藤 泰義*
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 1, p.101 - 107, 1991/00
本論文は、新型舶用炉を直接的対象として、受動安全性の技術開発上重要である自然対流と自然循環が共存する熱流動現象の解明に取り組んだものである。矩形容器内にヒーターとクーラーを取り付けた試験部に水を充填し、液晶懸濁法によって熱流動現象を可視化観察すると共に、数値シミュレーションによる予測を行った。実験の結果として、初期温度・加速冷却過程・バッフル板の有無等の種々の条件の影響を敏感にこうむることが明らかとなった。数値シミュレーションによって実験結果を再現するためには、境界条件の考え方、加熱冷却過程の考慮等の工夫・ノーハウを必要とすることを明らかにした。すなわち、自然対流/循環共存対流という新しい問題の基本的挙動を明らかにすると共に、数値シミュレーションの予測可能性と使い方の重要性を指摘した。
渡辺 正; 朝日 義郎; 藤井 幹也*; 安濃田 良成; 田坂 完二*; 久木田 豊
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 1, p.315 - 320, 1991/00
固有安全(PIUS)炉の熱水力挙動を調べるため、小型の装置を用いて行われた給水喪失実験の解析を、THYDE-Wコードにより行った。THYDE-Wは軽水炉安全解析用に開発されたコードであり、PIUS炉の実験解析への応用は今回が初めてである。解析により一次系流量、ポンプ回転数、ポイズンタンク入口温度は良く模擬されたものの、ポイズンタンクから一次系への流入量、及び一次系ポンプ入口温度の低下が過大評価された。これは、ポイズンループ中の形状損失係数の過小評価が原因と考えられる。また、ポイズンタンクの冷却系を省略したため、タンク出口温度が過大評価された。さらに、感度解析により一次系内の最高温度、及びポイズン水の流入による温度変化は、ポンプ回転数の上限に比例することが確認された。このことは、安全な炉の停止のためには、ポンプの制御範囲を適切に設定する必要があることを示している。
石島 清見; 中村 武彦
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 2, p.263 - 270, 1991/00
燃焼の進んだ原子炉燃料の反応度事故時における破損モードの一つとして、厳しいペレット-被覆管機械的相互作用による被覆管の損傷が考えられる。この原因は、出力暴走によってもたらされるペレットの急激なふくれである。PCMIと呼ばれる上記の現象を調べるため、NSRRを用いて反応度事故を模擬した燃料のパルス照射実験を実施した。燃料ペレット及び被覆管の過渡的伸びは、LVDT型センサを用い、大気圧・室温及びBWRを模擬した高温高圧条件の冷却水中で良好に測定できた。また、実験結果の評価のため、事故時燃料挙動解析コードFRAP-T6を用いて解析を行った。これらの研究により、燃料の過渡伸びに及ぼすギャップ幅及び冷却材条件の影響を明らかにした。
立花 光夫; 星 蔦雄; 見喜 一朗
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 2, p.81 - 84, 1991/00
原子炉解体の特殊性の一つには、高放射化した圧力容器と炉内構造物の撤去にあり、そのためには高い切断性能と遠隔性に優れた技術が必要である。JPDRの解体計画ではそれらの解体のために水中アークソーと水中プラズマアーク切断技術の開発を進めてきた。水中プラズマアークによる炉内構造物の解体は1989年2~9月に、また水中アークソーによる圧力容器の切断は1990年4~6月にかけて実施した。この解体作業を通して、水中プラズマ及び水中アークソーが十分な切断性能を有していること、発生する放射性のダストが水中切断により最小限に抑えられることが確認でき高放射化した機器の解体における水中切断工法の有用性が実証できた。一方、遠隔操作機器及び水封容器等の放置に多大の作業時間を有することから簡便な工法の開発が必要であることが判った。本論文では、各工法における切断結果と、解体実地試験より得られた経験を述べる。
羽田 一彦; 藤本 望; 数土 幸夫; 和田 穂積*
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 2, p.291 - 298, 1991/00
高温工学試験研究炉(HTTR)は、我が国最初の黒鉛減速ヘリウム冷却型原子炉であり、原子炉出口での冷却材温度は950Cと非常に高温である。このような高温炉の構造健全性を評価した経験はこれまであまりなく、このため、その過渡応答、特に熱的な過渡応答を解析するための信頼できる手法を確立することが急務であった。この手法としては、想定される過渡事象をいくつかの負荷カテゴリーに分類し、各カテゴリーごとに代表事象を選定するための考え方、解析条件及び解析モデルの定め方、並びに解析コードを確立する必要がある。本論文では、この手法を開発するとともに、代表的な熱過渡解析結果を示す。解析結果から、HTTRのユニークな特徴が解明されるとともに、HTTRは固有の安全性が高い原子炉であることが明らかになった。
中川 繁昭; 沢 和弘; 大橋 一孝*
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 2, p.299 - 304, 1991/00
HTTR(高温工学試験研究炉)の反応度異常事象に関する安全解析を実施した。本報では、2つの代表事象である「未臨界状態からの制御棒の誤引抜き」及び「出力運転中の制御棒の誤引抜き」の解析結果について報告する。解析は、制御棒の引抜き速度及び反応度添加率についてパラメータサーベイを実施した。解析の結果、燃料温度に関して最も厳しいケースについて「未臨界状態からの制御棒の誤引抜き」の場合初期値200Cから965Cまでの上昇、「出力運転中の制御棒の誤引抜き」の場合初期値1495Cから1555Cまでの上昇にとどまり、判断基準である1600Cを下回ることを確認した。